「お友達のおもちゃを取ってしまう・・・」
「一緒に遊んでいたはずなのに、すぐにケンカになる」
「2歳児って、どうしてこんなに友達とのトラブルが多いの?」
保育園の2歳児クラスでは、
友達との関わりが増える一方で、
トラブルも一気に増えてきます。
おもちゃの取り合い、順番を待てない、
思い通りにならず泣く、友達を押してしまう……。
保育士として2歳児と関わっていると、
「毎日のようにトラブルが起こる!!」と感じることもあります。

でも、2歳児の友達トラブルは、
単純に「仲良くできないから起こる」わけではありません。
むしろ、
「友達が気になるようになってきた」からこそ起こるトラブルも多いのです。
この記事では、2歳児の友達トラブルが起こる理由と、
保育士が大切にしたい関わり方について、現役保育士の視点から紹介します!!
2歳児は「友達と一緒に遊ぶ」がまだ難しい
2歳頃になると、友達の存在を意識する姿が少しずつ増えてきます。
友達が遊んでいるおもちゃが気になったり、
同じ遊びをしてみたくなったり、友達の動きを真似したり。
1歳頃と比べると、友達への関心が目にめえて明らかになります!
ただし、
「友達に興味を持つこと」と「友達と上手に一緒に遊ぶこと」は別の力です。
友達のことは気になる。

でも、
「貸して」「一緒に遊ぼう」「順番だよ」「あとで使わせてね」
といった言葉で気持ちを伝えたり、
相手の気持ちを考えて自分の行動を調整したりする力は、まだ育っている途中です。
そのため、
「一緒に遊びたい」
「同じものが欲しい」
「自分もやりたい」
という気持ちが、友達とのトラブルにつながることがあります。
2歳児に友達とのトラブルが多いのはなぜ?
2歳児の友達トラブルには、いくつかの理由があります。
①「友達」が気になるようになってきた
まず大きいのが、友達への関心の高まりです。
友達が持っているもの。
友達が遊んでいるもの。
友達が楽しそうにしていること。
それまで自分の世界で遊んでいた子が、
少しずつ周りの子を意識するようになります。
だからこそ、
「○○ちゃんと同じものが欲しい!!」
「○○ちゃんが持っているから、自分も使いたい!!」
という事が起こるのです。

これは、友達との関係が育っていく中で見られる大切な変化です!!
②「自分の気持ち」が強く出てくる
2歳頃は、
「自分でやりたい」「これがいい」という気持ちも強くなってきます。
いわゆるイヤイヤ期とも重なる時期です。
「今使いたい!!」
「まだ遊びたい!!」
「それが欲しい!!」
という自分の気持ちは、しっかり持てるようになってきます。
一方で、友達も同じように「使いたい」と思っていることを理解し、
自分の気持ちを調整するのはまだ難しい・・・!
そのため、おもちゃの取り合いなどが起こりやすくなります。

③ 相手の気持ちを想像する力はまだ育っている途中
大人なら、
「今この子が使っているから、終わるまで待とう・・」
と考えることができます。
でも2歳児にとっては、それが簡単ではありません!
「自分が欲しい」という気持ちが大きいと、
「今使っている友達の気持ち」まで考えることは難しいのです。
だからといって、
「相手の気持ちを考えられない悪い子」
ということではありません。
相手の気持ちを理解したり、自分の気持ちをコントロールしたりする力が、
まさに育っている途中なのです。
④ 言葉で伝えることがまだ難しい
「貸して」
「あとで使いたい」
「やめて」
「一緒に遊びたい」
そんな言葉が出てくる子もいます。
でも、気持ちが大きくなった瞬間に、
言葉が追いつかなくなることもあります。
すると、
取る、押す、泣く、大声を出す……
という行動で気持ちを表現することがあるのです・・・。

ここでも大切なのは、
「行動だけを見て、その子を判断しない」こと。
その行動の奥に、
「使いたかった」
「一緒にやりたかった」
「嫌だった」
「自分も欲しかった」
という気持ちが隠れていることがあります。
2歳児の「友達と遊べない」は、成長していないということではない
「うちの子、保育園で友達と遊べていますか?」
保護者から聞かれることもある質問です。
ここで覚えておきたいのが、
2歳児は、まだ“友達と協力して遊ぶ”ことが得意な時期ではない
ということです。
同じ場所で同じ遊びを楽しんでいても、
それぞれが自分の遊びをしていることがあります。
友達の隣でブロックを作る。
同じ砂場でそれぞれ遊ぶ。
友達が作っているものを覗き込む。
友達の真似をする。

こうした姿も、2歳児にとっては大切な「友達との関わり」です。
大人がイメージする、
「一緒に相談して遊ぶ」
「役割を決めて遊ぶ」
「相手と気持ちを合わせて遊ぶ」
という姿を、つい求めてしまいがちですが、
この頃はまだそこまで求めなくて大丈夫です!
保育士は、2歳児の友達トラブルにどう関わる?
では、実際にトラブルが起きたとき、保育士はどう関わればよいのでしょうか。
① まずは「何が起きたか」を見る
トラブルが起きると、すぐに
「取っちゃダメ!」
「叩かないよ!」
と言いたくなります。
もちろんケガに繋がりそうな危険な行動は止める必要があります。
でも、その前後を見ることも大切です。
「何がきっかけだった?」
「どちらが先に使っていた?」
「何をしたかった?」
「友達との距離は近すぎなかった?」
「同じおもちゃを使いたい子が何人いた?」
など、状況を見てみます。

行動だけを見るのではなく、トラブルが起きた背景を見ることが大切です。
② 気持ちを代弁する
2歳児は、
自分の気持ちをまだ十分な言葉で表現できないことがあります。
そんなときは、
「使いたかったんだね」
「まだ遊びたかったね」
「○○ちゃんも使いたかったんだね」
「嫌だったんだね」
と、保育士が言葉にしてあげます。

気持ちを代弁してもらう経験を重ねることで、
「これが嫌だった」
「こうしたかった」
と、自分の気持ちを少しずつ言葉で表現できるようになっていきます。
③ すぐに「ごめんね」を言わせない
トラブルのあと、
「ほら、ごめんねって言おう」
と促すこともあると思います。
でも、まだ気持ちが整理できていない状態では、
「ごめんね」と言うことだけが目的になってしまうことがあります。

まずは、
「嫌だったね」
「使いたかったね」
「びっくりしたね」
と、それぞれの気持ちを受け止める。
そのうえで、
「どうしたらよかったかな?」
「貸してって言ってみようか」
など、次の行動につなげていきます。
謝ることだけをゴールにしないことも、2歳児の友達関係を育てるうえで大切だと感じます。
④「貸して」「あとでね」を大人が仲介する
2歳児同士では、まだ言葉だけで解決することが難しい場面があります。
そんなときは、
「○○ちゃんが今使ってるね」
「終わったら貸してもらおうか」
「こっちにも同じおもちゃがあるよ」
など、大人が間に入ります。
毎回子どもだけで解決させようとするのではなく、
保育士が仲介しながら、少しずつ友達との関わり方を経験していくことが大切です。
「トラブルをなくす」より「トラブルから学ぶ」
2歳児の友達トラブルを見ていると、
「どうしたらトラブルを減らせるかな?」
と考えがちです。

もちろん、環境を整えたり、同じおもちゃを複数用意したり、
子ども同士の距離を調整したりすることは大切です。
でも、トラブルをすべてなくすことが正解ではありません。
友達と関わる中で、
「同じものが欲しい」
「一緒に遊びたい」
「嫌だった」
「どうしたら伝わる?」
という経験をすることも、子どもにとっては大切な学びです。
大人がすべて解決してしまうのではなく、必要なところで支えながら、
「友達と関わるって、こういうことなんだ」
という経験を積み重ねていく。
それが2歳児の友達関係を育てることにつながっていくのだと思います。
まとめ|2歳児の友達トラブルは「友達が気になるようになった」証でもある
2歳児になると、友達への関心が少しずつ高まってきます。
でも、
「一緒に遊びたい」
「自分も使いたい」
という気持ちを、まだ上手に調整することはできません。
だからこそ、友達とのトラブルが増えます。
おもちゃの取り合いになったり、思い通りにならず泣いたり、友達を押してしまったりする姿を見ると、「困った行動」と感じることもあります。
でも、その姿の中には、
- 「友達が気になる」
- 「一緒に遊びたい」
- 「自分の気持ちを分かってほしい」
という、2歳児なりの人との関わりが詰まっています。
トラブルをなくすことだけを目標にするのではなく、
「どうしたかったのかな?」
「何を伝えたかったのかな?」
と、その子の気持ちを見ながら関わっていく。
そんな積み重ねが、これから友達と一緒に遊んでいくための土台になっていきます。

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