「また噛みつきが起きてしまった……。」
1〜2歳児クラスを担任していると、噛みつきへの対応に悩む保育士は少なくありません。

子ども同士のトラブルを防ぎたいと思っていても、
一瞬の出来事で噛みつきが起きてしまい、
「もっと早く気づけたのでは」と落ち込んでしまうこともありますよね・・・!
私自身、幼稚園・保育園・認定こども園で10年以上勤務する中で、
多くの噛みつきの場面に立ち会ってきました。
その経験から感じるのは、
噛みつきをゼロにすることは難しくても、環境や関わり方を工夫することで減らすことはできる
ということです。
この記事では、現役保育士として実際に意識している
「噛みつきを減らすための保育のポイント」を紹介します。
なぜ1〜2歳児は噛みつくの?
1〜2歳児は、ちょっと赤ちゃんより成長したなと思っても、
まだ自分の気持ちを言葉で十分に伝えられません。
そのため、
- 「貸してほしい」
- 「嫌だった」
- 「悔しい」
- 「遊びたかった」
という気持ちを、とっさに噛むことで表現してしまうことがあります。

噛みつきは困った行動ではありますが、
この時期ならではの発達の一つでもあります。
だからこそ、大切なのは叱ることではなく、
「噛まなくても気持ちを伝えられる環境」を整えることです。
① 子どもの「噛みそうなサイン」を見逃さない
噛みつきは突然起きるように見えて、
よーーく見ていると、実はその前にサインが出ていることが多くあります!!
例えば、
- おもちゃをじっと見つめている
- 友達との距離が急に近くなる
- 表情が険しくなる
- 手が止まる
- 言葉にならない声を出している
こうした様子が見られたら、
「貸してほしかったんだね」「一緒に使いたかったね」
と気持ちを代弁しながら、早めに仲立ちするようにしていました。

“噛んでから対応する”のではなく、“噛む前に動く”ことが一番の予防になります。
② トラブルが起きやすい場面を知る
私が現場で感じたのは、噛みつきには起きやすいタイミングがあるということです。
例えば、
- 人気のおもちゃを出したとき
- 自由遊び
- 午前中の活動の切り替え
- お腹が空いてきた時間
- 午睡前で疲れている時間
こうした時間帯は、保育士同士で
「今日はここを意識して見よう」と声を掛け合っていました。
全員をずーーっと完璧に見ることはできません。
だからこそ、「起こりやすい時間」を知るだけでも予防につながります。

③ 言葉を代弁する
1〜2歳児は、
「貸して」「あとで」「いやだった」
がまだ上手に言えません。
そこで保育士が、
「使いたかったんだね。」
「貸してって言えばいいね。」
「まだ遊びたかったんだね。」
と気持ちを言葉にしてあげることで、
少しずつ「言葉で伝える経験」が増えていきます。

私自身も、言葉を代弁することを続けるうちに、
噛みつきではなく「かして」と言える子が増えていく姿を何度も見てきました。
「貸して」の一言が言えるか言えないかって結構大きい気がするんですよね・・・!
④ おもちゃや環境を見直す
意外と多いのが、「環境」が原因になっているケースです。
例えば、
- 人気のおもちゃが1つしかない
- 遊ぶスペースが狭い
- 人が集まりすぎている
こうした状況では、子ども同士のトラブルが起きやすくなります。
実際に私が勤務していた園でも、
おままごとの食器を増やしただけで取り合いが減ったことがありました。
これは保育士の見直しや気付きで変えることができる策です!!

日々子どもたちの様子を見て、
「子どもを変える」のではなく、
「環境を変える」という視点は、とても大切だと感じています。
⑤ 保育士同士で情報共有する
噛みつきは、一人の保育士だけで防ぐことはできません。
だからこそ、職員同士の情報共有が欠かせません。
例えば、
- 最近疲れが見られる子
- 噛みつきが続いている子
- トラブルになりやすい組み合わせ
などを共有しておくことで、見守り方も変わってきます。
「○○ちゃん、今日は休み明けで疲れているし気をつけよう。」
そんな一言の共有をクラスに入る保育士みんなで共有できれば、
事故を防ぐことにつながる場面も多くあると思います。

私が実際に意識していること
私が一番意識しているのは、「噛む前に止めること」でした。
子ども同士の距離が近づいた時には、
しっかり見守る体勢を意識して作っているし、
おもちゃを巡ってどちらかの表情が変わったときには、
普段よりも一歩早く近づき、
「一緒に遊ぼうか。」
「先生も手伝うね。」
と自然に声を掛けるようにしていました。
ギリギリまで見守ることもありますが、
その日のその子の行動や体調、疲れなども考慮して
いつもより早めに間に入ることもあります。
もちろん、それでも噛みつきが起きる日はあります。
そんな日は落ち込むこともありました。
でも経験を重ねる中で感じたのは、
「噛みつきをゼロにする保育士」ではなく、「噛みつきを減らせる保育士」
を目指すことが大切だということです。

完璧を目指すのではなく、一つひとつの経験を次の保育につなげることが、子どもたちの安心につながると感じています。
よくある質問(FAQ)
Q. 噛みつきを繰り返す子にはどう対応すればいいですか?
まずは「なぜ噛んだのか」を考えることが大切です。
噛んだ状況を詳しく考察し、言葉で伝えられないのか、眠いのか、
お腹が空いているのか、環境に原因があるのかなど、
背景を探ることで対応方法が見えてきます。
Q. 噛んだら厳しく叱ったほうがいいですか?
強く叱るだけでは、根本的な解決にはつながりません。
それでも、相手がいることなので、
噛むことは良くないこと、と言うのは毅然として伝えます。
その上で、「噛まずに伝える方法」を繰り返し知らせていくことが大切です。
まとめ
1〜2歳児の噛みつきを減らすためには、
- 噛みそうなサインを見逃さない
- トラブルが起きやすい時間帯を意識する
- 気持ちを言葉で代弁する
- 環境を整える
- 職員同士で情報共有する
この5つの積み重ねが大切です。
噛みつきは、保育士にとって
本当に精神的にも負担が大きい出来事です・・・!!
だからこそ、一人で抱え込まず、
「どうすれば次は防げるか」という視点で振り返ることが、
噛み付きを予防する、ことに繋がるのではないかと思います。

噛みつきを完全になくすことは難しくても、
子どもの気持ちに寄り添いながら環境や関わり方を工夫することで、
安心して過ごせる時間は少しずつ増やしていけます。
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